November 09, 2005

つくばは経済成長期?

先日夜のニュース番組で軍艦島の特集があった。
軍艦島とは長崎県の端島というかつて炭坑で栄えた島だ。島の周囲をコンクリートで固め、炭坑で生活する人々のための高層アパートが高密度で建てられている。炭坑の閉山にともなって1980年代に無人島になっている。私が軍艦島を知ったのは美大に通っていた頃。廃墟となった軍艦島をモノクロで撮影した写真集を見て知った。そのころは廃墟の写真がはやっていて、私も横須賀や東京湾の埋め立て地に行っては、廃墟めいた構造物の写真を白黒のフィルムで撮りためていた。廃墟には独特な時間の流れと、人に置き去りにされたモノが機能から離れて、真のモノとしての存在が露わになっているような気配が感じられた。
軍艦島の写真集からは、廃墟独特のカッコよさと、無法地帯のように建物が密集し、入りくんだ中での人の生活のエネルギーが感じられた。

この軍艦島を私は長崎港から船に乗り、軍艦島に最も近い高島で降りて眺めたことがある。
高島の浜には冷蔵庫や日用雑貨が漂っていて、日本の高度経済成長の影を感じながらその風景を見た。

先日のニュース番組では、その軍艦島を世界遺産にして保存しようという動きがあることを伝えていた。浸食が進んだ島に人が安全に上陸できるようにすると、上陸してみたい気持ちもやまやまだが、その独特な時間の流れは薄まってしまうのかなあ、などと思いながらテレビを見ていた。

ニュースのコーナーは変わり、次はつくばのTXからの眺めが放送された。つくばスタイルフェスタの会場跡も映った。つくばはこれから建設ラッシュが始まる様子。つくばは第2の経済成長期にさしかかっているのだろうか。。軍艦島の浸食した風景と、今のつくばの風景のコントラストが面白い。



これはつくばフェスタ最後の土曜日。IBAのとなりに出展していた警備会社の鼓笛隊がパレードをしている様子。
会場内には風船を持った子供をつれた家族、築山の芝生の上でころがって遊ぶ子供達、その向こうには住宅展示場、その上には気球が上がっているという絵に描いたようなにぎわいだった。それは私が子供の頃、高度経済成長期の頃にみた風景とオーバーラップして見えた。



14:19:15 | sakura | | TrackBacks