November 02, 2006

気密性の憂鬱



高気密・高断熱という言葉をよく耳にすると思います。
これは、建物への熱の出入りを少なくして、空調の効果を上げるための仕様です。すきま風が多く入ったのでは、冬はせっかく暖めた空気が逃げてしまいますし、建物の外壁が薄かったり熱を通しやすかったりすると、暖めた空気がすぐに外の温度と同じになってしまいます。夏も同じで冷やした空気が外の温度と同じにならないようにし、暑い陽ざしによって屋根や外壁が暖められて室内が暖まらないようにするために、遮熱する必要があります。このような工夫をすることで、空調の効果が上がり、省エネルギーにつながります。
それで「高気密・高断熱」をうたい文句にしている住宅が多いのですが、「高気密」には、ちょっと疑問を持っています。

数年前から、常に換気扇をまわす「常時換気」が義務づけられるようになっています。高気密と常時換気という相反するものがひとつの住宅に存在しているのです。常時換気の目的は、シックハウス症候群防止です。気密性の高いアルミサッシュを付け、ホルムアルデヒドがたくさん放出される建材を使った場合、部屋の内部はホルムアルデヒドで汚染されており、シックハウス症候群という新しい病気が生み出されたと言われています。
常時換気扇をとりつけるとともに、ホルムアルデヒドが発散される割合の低い建材を使うことが義務づけられ、確認申請を出した時と建物が竣工した時に受ける完了検査の時に、チェックされています。

常時換気の換気扇は、小さいもので、ぶんぶんと音をたてて回転するような換気扇ではありませんが、気密性を高めておいて、機械で換気を管理するというのに、なんだか不自然な感じがするのは、私だけでしょうか。

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16:19:42 | sakura | | TrackBacks