December 13, 2006

キッチンはみんなのそばに


一昔前の台所といえば、北側の暗くジメジメした場所に配置されることが多く、冬の家事しごとは辛く厳しかったのだろうと思います。

住居論の教科書などをみると、近代化に伴い、また、男女平等が広まり、台所は暗い場所から、リビングやダイニングに近接した明るい場所に移動したとあります。

そんなことを思うと、今の時代に生まれてよかったとつくづく思ってしまいます。

北側に配置されていたのは、冷蔵庫が無い時代、食物が傷まないためでもあり、冷蔵庫が普及し、必ず各家庭に一台はあるという今の時代は、北側に配置することもとりたてて重要ではなくなったように思われます。

家事しごと、特に料理を楽しむには、家族が集まっている場所がなによりです。
明るく暖かいリビングやダイニングに近接させて、あるいはその中に取り込まれるようにキッチンを配置するのがよいですね。

考えてみれば、私達が設計する住宅は、キッチンが孤立している住宅はなく、リビングダイニングの中に配置しています。オープンにしたり、あるいは空間は一体になっていてもお客さんからは見えにくくするような工夫をしたりしています。いづれもクライアントの好みや生活スタイル、敷地の条件を考慮してデザインしたものです。

冷蔵庫が普及したとは言えども、冷蔵庫に入れずに保存するような野菜や漬け物をおいておくにはやはり北側が適していますので、うまい具合に、涼しい場所と明るく暖かいみんながいる場所をつなぐように計画できるのがベストですね。

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12:08:37 | sakura | | TrackBacks