March 10, 2006

自然と、建築と

こんなにも自然のことが気になるようになったのは、10年ぐらい前からだと思います。野鳥の会の建物(鳥と緑の国際センター)の設計に関わってからです。当時の野鳥の会担当者の一人である、佐々木さんというレンジャー(フィールドの管理人、鳥の調査、自然解説もする)と一緒に山歩きをして、すっかり感化されてしまいました。佐々木さんは理科系の大学卒で野鳥に関わる仕事をされていましたが、建築に興味をお持ちで、特に野鳥が見られるような都市公園に良くある「野鳥観察小屋」に独特な知見があり、なんと建築を学ぶために理科大の夜間の建築科に通っていました。当時、私たちは東京で設計事務所を開設していたので、そこにも打合せかたがた、建築の話しをしに来てくれました。自然系の佐々木さんが建築に興味をもつのとは逆に、私は建築をとりまくようにある自然に対して強い興味を持つようになり、そしてまた、彼に感化されて、私も環境デザインという分野の勉強を始めました。

実際にどのようなテーマで研究を行うか、悩みに悩み、「インタープリテーション(自然解説活動)の拠点となる施設のデザイン」というテーマに落ち着きました。しかし、デザインは研究するよりも、手を動かして実際につくるものなので、デザインそのものを研究するよりもむしろ、その施設でおこなわれる活動とかいわゆるソフト計画が気になっていました。桜川での活動は、自然のことが気になるようになった10年ぐらい前からの、「思いつき」と、「流れ」です。無報酬の活動ですが、建築デザインに対して、なにか重要な関係があるように感じています。

と、ここまで書いてふと、もしかして、今日あたり、佐々木さんの命日だったかな?申し訳ない!はっきりと命日を覚えてなくて。
佐々木さんがいたら、桜川の活動について、今計画中の「繭」について、なんて言うだろう。


19:41:54 | sakura | | TrackBacks