August 31, 2007

繭ができるまで48秋を感じる時

どのような時に秋を感じますか?
私は、建築現場に仮設用の明かりが灯ると、秋だなあと思います。
いつの間にか日も短くなって、気がつくと現場にも明かりが灯っています。虫の声も冴えてきて、秋を感じます。風もまさに秋風で、寂しげな感じ。

昨日の夕方、委員会が終わった後に「繭」の現場に駆けつけると、仮設用の明かりの中で大工さんたちが仕事をしていました。
秋が足早にやってくることに焦りつつも、明かりが灯った現場の雰囲気が結構好きで、しばし眺めていました。

数日前に足場も外れたので、骨格があらわになりました。

空間の大きさとか雰囲気は図面を書いている段階からリアルに思い描いているので、頭の中はすっかりそこで生活しているような妄想でいっぱいになっていますが、明かりが灯ると、いっそう空間がリアルに感じられます。ちょっとイイです。


18:35:36 | sakura | | TrackBacks

August 01, 2007

繭ができるまで47蚕


コメントを書き込んでくださっているぽれぽれとうさんのブログを読んでビックリです。

なんとカイコを育てたそうなのです。そのプロセスの表現もすばらしく感心させられるブログです。

カイコといえば「繭」。我々の新事務所兼住居の名です。
この機会に、なぜ「繭」と名付けたのかをちょっとお話したいと思います。

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つくばの、桜川の近くにある父の生家は、茅葺き屋根の家で、土間があり、その壁一面に、すごく高い所にまで蚕の棚がありました。棚には桑の葉がたくさん敷き詰められていて、真っ白い蚕が桑の葉を食べていました。桑の葉は桜川沿いにたくさん生えていました。幼いながらにも、その虫が高貴な虫に感じられ、虫が苦手な都会の子供ではありましたが、手に取ってその感触を味わいました。

かつて、桜川流域は養蚕がさかんだったようで、どの家にも土間や天井裏に蚕がいて、とても大切に育てられていたそうです。蚕が暮らしやすいように、室内の温度や湿度を調整したようです。調整したといっても、おそらくは風通しをよくするとか、打ち水をするとか、単純なことだったのだろうと思いますが、蚕同様にひとにとっても快適な空間だったのではないだろうかと想像します。

人間以外のいきものに気をつかいながら一緒に生活する、そんなあり様がすばらしいと思いました。また桜川流域の豊かさを象徴するのではないかと考えて、新事務所兼住居の名前を「繭」と名付けたのです。



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11:52:53 | sakura | | TrackBacks