November 10, 2009

国立公園の建築


今日、「國立公園」の11月号(678号)が届きました。

「國立公園」誌は、国立公園に関する情報を発信する月刊誌で、創刊は昭和4年、当時の内務省から発行され、現在は、財団法人国立公園協会から発行されています。

私はかつて、自然公園の施設のデザインについて研究(というほどでもないですが)をしていまして、「國立公園」誌は創刊号から目をとおしました。古いものは大学の図書館にもなく、大変でしたが、昔の文章は気骨があっておもしろく、文学的でした。

研究からもすっかり離れていましたが、
国立公園研究の第一人者であるYU先生から、原稿依頼のメールを頂いたのは7月の終わり頃。思いもよらぬことでした。私が書いてもいいんですかと思いましたが、こんな機会を下さった先生に感謝し、記事を書かせて頂いて、印刷された冊子が今日届きました。とても嬉しく思っています。



中部山岳国立公園の写真が表紙です。
山に雪が降り、晩秋の彩りですね。



時空遊園

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November 02, 2009

有機農業のような

農薬を使わないで野菜をつくるには、相当な手間がかかるだろうと思います。うちの猫の額ほどの小さな菜園でさえ、雑草取りや虫取りをするのは容易ではありません。
生活の糧となる売り物だとすれば、相当な労働でしょう。効率化、経済性を優先させて来た結果、農薬によって環境は変化し、農作物の質が落ちたと言えるでしょう。その背景には、形のそろっていうものしか売れない、傷のないものしか売れない、安いものしか売れない等、消費者のニーズがあるのだそうです。

建築、特に住宅にも、似たようなことが言えるかもしれません。
「早く建つ」「低価格」を競うことによって、工業化、規格化が進み、狂いが生じやすい自然の材料は除外されがちです。大工の棟梁が材木のくせを読み、適材適所に加工してきたわざも、発揮する機会が少なくなり、簡単な釘打ち作業しかできない大工が現れるようになってしまいました。また、住宅を商品として扱う販売者も、職人としての技を評価するよりも安くて早く造らせることに重点を置き、見えないところで手を抜いて欠陥住宅問題を引き起こしています。シックハウス症候群という、家が原因の病気も発生するようになりました。勿論、全部の住宅がそうであるはずはありませんが、問題が引き起こされたのは、効率化や経済性を優先させて来た結果のように思います。

「いのち耕す人々」という映画があります。
近代化農業に世の中が移行するなかで、かたくなに有機農業を実践してきた人々の姿にとても感動します。

映画を見ながら、いつの間にか、設計の仕事と重なってきました。
住宅の設計も、とにかく手間がかかる。
でも、がんばって手間をかけてやろう!と、決意を新たにしたのでした。

時空遊園
茨城県つくば市の建築設計事務所


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