March 13, 2006

人の気持ちを裏切った公共工事

昭和47年の頃、汚染が進んできた桜川の自然保護を願い、桜川の自然公園化に向けて、清掃活動や河川敷にアヤメを植えていた団体がありました。

その団体は、桜川の自然公園化について署名を集めて行政に陳情する活動を行っていたそうです。
その成果があってか、自然公園化が進むことになったようですが、アヤメを植えていた河川敷にはブルドーザーが入り、自然の地形を残すのとは相反する「運動公園」になってしまったのだそうです。

これは、土浦の自然と歴史を守る会が発行した「櫻川」という機関誌に掲載されていた話です。

河川敷に植えたアヤメとともに人の心もなぎ倒す工事。内容のすり替え工事。アヤメを植えていた人の気持ちが手に取るように感じられ、つらくなります。

他に、こんな話も聞きました。
筑波山麓の桜の名所である北条大池。ため池の周りの桜並木が美しかったのですが、その池がコンクリート護岸に変わってしまいました。そこに、かつてのような桜の花が水面に映る姿は見られなくなってしまいました。
しかし、工事前は、市民や団体とワークショップを重ね、コンクリート護岸ではない多自然型の計画だったのだそうです。それがいつの間にか、願いとは反対のものになってしまったのです。ワークショップに出席する市民や団体はボランティアで、いざ、予算がつくと、それまでのボランティアとは全く別のところで話が進み、ボランティアのきもちとは全く反対の方向に進んでしまう。

最近は、行政自治体と市民の恊働が一般化してきましたが、内情は、形式的だったり、アリバイづくりだったり、コストのかからない労働力として市民が利用されるだけだということを耳にします。熱心に働きかけようとすればするほど、無力感を感じてしまうのかもしれません。

頼らず、利用されないようにマイペースに、地道路線を貫くことが、心と環境を豊かにする近道なのかもしれません。


Posted by sakura at 11:48 P | from category: 自然・環境・建築 | TrackBacks
Comments

ポレポレとうさん:

こんにちは。おじゃまします。
先日、多摩川の土手を散歩していて護岸工事の様子を見てきました。思うところがありましたのでブログに記事を書きました。若干関連がある内容だと思いましたので、トラックバックをかけさせていただいております。
よろしくお願いします。
(March 20, 2006 02:31 P)

ゆう:

はじめまして。
ポレポレとうさんの記事からおじゃましました。

私も若い頃、建築の仕事に少し関わっており、子育ても一段落したので建築+自然(+子供)をキーワードに地域活動に関わり始めています。
子供と一緒にカヌーなどアウトドアスポーツを楽しんだ中で「自然」の良さを無視した公共工事には??の思いを強く持っています。
sakuraさんのおっしゃるように、地元建築家の方々やアウトドア活動をされているメンバーの方と共に、行政をうまく利用した活動をしていきたいと思っています。
いろいろな情報、これからも発信してくださいね。また、おじゃまさせてください。。
どうぞよろしくお願いします☆
(March 21, 2006 07:46 P)
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