July 20, 2007

日本の木材で校倉造に挑戦


今度は校倉造に挑戦しています。
校倉造りとは、あの正倉院の建て方です。材を井桁状に組んで積み上げていく方式で、ログハウスと同じような工法です。

しかし、日本に建っている多くのログハウスは、主に北米などの外材である米マツを丸太のまま使ったものがほとんどです。日本古来からあった「校倉造」よりも、外来の「ログハウス」の方が普及しているのが現状です。

米マツは比較的低コストで、太いので、普通の在来木造の時では、「梁」に使います。背の高い梁を日本の木材でやろうとすると、なかなかみつからない、高くなる、という現実から、全てを日本の木で作ろうとするのが難しいです。太い丸太を大量に使うログハウスを日本で作ろうとすると、輸入木材になってしまうようです。

でもやっぱり、日本の木を使いたい。
ログハウスじゃなくて、校倉造だ。

そこで、普通に、日本で流通している角材を校倉造に使ってみよう、と考えました。
構造計算もすることにしました。
構造家は正倉院の本を持ってきてくれて、3人で、しばし眺めていました。

でお世話になっている大工さんに、校倉の仕口のことを訪ねたら、なんと、仕口の原寸モデル(仕口そのもの)を作ってくれました。

それがこれです。
 

(いったん叩き入れてしまうと抜けなくなってしまうので、3段目は乗せているだけです)

ただ単に、重なり合うところを半々にカットしたわけではなく、段をつけています。こうすることで、隙間が開かなくなるのです。

2段目の材の色がちょっと濃いのがわかりますでしょうか?
これはKD材といって機械乾燥した材です。

と、こんな感じであれこれやってます。

時空遊園

ブログランキング・にほんブログ村へ




Posted by sakura at 12:09 P | from category: 自然・環境・建築 | TrackBacks
Comments

ぼん:

いつもお世話になっています。
イメージを具体化する建築士のお仕事って、楽しいですね。同じ工学系でありながら、建築家は芸術家に最も近いところに位置していることを、実感させていただきます。
でも、こういった、具体的な「ブツ」が目の前に来ると、少し我々側に近づいたな、と実感できます。
それにしても、要所要所でこんな手の込んだ「仕事」をして貰うと、一体幾らになるのか恐くなります。
(July 23, 2007 03:59 P)

sakura:

コメントありがとうございます。
大工さんは、特に仕口に自信を持っておられるようです。このようなモデルもつくってみたくなってしまったのだと思います。
この写真の仕口は、梁の接合する箇所の仕口を応用したものです。大工さんいわく、内装工事も外装工事もほとんどないから、材料を用意してしまえば、工期短縮にもつながって、それほどかからないのでは?ということです。それを信じて我々も図面を描いています。
この大工さん、プレカット工場に出さずに、自分のところに作業場があり、加工できるものは、いろいろ自分たちで加工してコストを下げてくれます。
笠間や繭の超厚手のフローリングも作ってくれました。
(July 24, 2007 08:18 P)
:

:

Trackbacks